ゴールデンレトリバー

ゴールデンレトリバーの飼い方|性格・暮らし・気をつけること

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芝生に伏せて前足を伸ばし、静かにこちらを見るゴールデンレトリバー
Photo: Barras(CC BY 3.0, Wikimedia Commons)

「大型犬を飼うなら、ゴールデン」。そう言われるだけの理由があります。人が好きで、穏やかで、教えたことをよく覚える。AKCの犬種人気で210犬種中3位(米国)。

ただ、この犬種で失敗する家庭は、性格で失敗していません。体の大きさで失敗しています。

子犬のときは10kgもない。それが1年で30kgになる。その体が毎日走る時間を必要とし、その体重が関節に乗り、その体が喜んで飛びついてくる。「優しい」は本当ですが、「楽」ではありません。

30kgの体が暮らしに効く3つの場面。運動:毎日1時間以上、レトリーブが効率的。関節:股関節と前十字靭帯、子犬期は激しい運動を避け一生体重を計る。飛びつき:4本足のときだけ声をかける。レトリバーの口:拾い食い・誤飲が多い、離せを最初に教える

この記事で学べること

  • ゴールデンレトリバーの大きさ・体重・寿命が、公的な犬種情報でどう書かれているか
  • 30kgの体が効いてくる3つの場面 ── 運動・関節・飛びつき
  • 「レトリバーの口」── 何でもくわえる犬と暮らす、ということ
  • 抜け毛、暑さ、皮膚のこと
  • 迎える前と、最初の1年でやること

今日やることは1つ。 愛犬が4本足で立っているときにだけ、声をかけて撫でてください。飛びついたときは黙って背を向ける。この一貫性が、1年後の30kgの飛びつきを防ぎます。

記事執筆における出典

ゴールデンレトリバーは「優しい」で語られることが多く、体の大きさに由来する現実が抜けがちです。もとにした資料を先に示します。

  • 大きさ・体重・寿命・気質・来歴 ── アメリカンケネルクラブ(AKC)の犬種情報
  • 股関節形成不全 ── OFA(Orthopedic Foundation for Animals)の解説。繁殖前の評価制度を運用している団体です
  • 前十字靭帯の損傷 ── アメリカ獣医外科学会(ACVS)の患者向け資料「Cranial Cruciate Ligament Disease」
  • しつけの方針 ── 米国獣医行動学会(AVSAB)の声明。罰を用いる手法を推奨していません
  • 暮らしの組み立てと手順 ── 上記の資料をもとに、BAUDOGが構成しました

診断や治療には踏み込みません。 どうなったら病院か、までを書きます。

数字で見るゴールデンレトリバー

AKCの記載
体高オス 23〜24インチ(約58〜61cm)/メス 21.5〜22.5インチ(約55〜57cm)
体重オス 65〜75ポンド(約29〜34kg)/メス 55〜65ポンド(約25〜29kg)
寿命10〜12年
犬種人気210犬種中3位(米国)

体重25〜34kg。 成人女性の半分ほどの重さの犬が、家の中を歩き、ソファに乗り、あなたに飛びついてきます。この数字を、迎える前に一度、実感として持っておいてください。

AKCは、この犬種を鳥猟で獲物を回収(retrieve)するために作られた犬と記述しています。「くわえて運ぶ」は仕事の名残です。

30kgの体が効いてくる3つの場面

1. 運動

ゴールデンは毎日、走る時間を含めて1時間以上の運動を必要とする犬種です。散歩だけでは足りません。

足りないとどうなるか。家の中で仕事を探し始めます。靴をくわえる、ゴミ箱を漁る、庭を掘る。運動不足のゴールデンの「問題行動」は、たいてい運動で解決します。

いちばん効率がいいのは、**レトリーブ(持ってこい)**です。この犬種はこれが仕事なので、喜んでやります。ボールを投げて持って来させる。10分で、散歩30分ぶんの運動になります。

公園でボールをくわえて戻ってくるゴールデンレトリバー。レトリーブは効率のよい運動 Image: AI生成(BAUDOG)

2. 関節

OFAは股関節形成不全について、ACVSは前十字靭帯の損傷について、それぞれ解説しています。どちらもゴールデンレトリバーで知られている問題です。

体重が直接、関節に乗ります。だから、

  • 子犬期(〜1歳半)は、激しいジャンプや長距離の走り込みを避ける。 骨と関節が完成する前に負担をかけない
  • 一生、体重を計る。 太らせないことが、いちばん確実な関節の予防
  • 迎えるときに、親犬の股関節の評価を聞けるか確認する

子犬のうちから体重を計る習慣をつける。太らせないことが関節のいちばんの予防 Image: AI生成(BAUDOG)

3. 飛びつき

子犬のときの飛びつきは、かわいいだけです。それが30kgになると、子どもや高齢者を倒します。

対策は生後3か月から一貫させます。4本足で立っているときにだけ、声をかけて撫でる。飛びついたら、黙って背を向ける。 家族全員で。来客にも協力してもらう。

ここで一人でも「かわいい」と応じると、その一回で学習が戻ります。飛びつかない挨拶の考え方と同じです。

四本足で立っているときにだけ、しゃがんで声をかけて撫でる Image: AI生成(BAUDOG)

レトリバーの口

ゴールデンは、何でもくわえます。靴下、リモコン、石、落ちている食べ物。

これは仕事の名残で、悪気はありません。ただ、拾い食いと誤飲がいちばん多い犬種のひとつでもあります。

対策は2つ。

  • 離せ/ちょうだいを最初に教える。 くわえたものを喜んで渡す犬にしておく。追いかけて取り上げると、次から逃げます
  • くわえていいものを常に用意する。 おもちゃを持って歩くのは、この犬種の幸せの形です

散歩中の拾い食いは犬の拾い食いをやめさせる方法に。

くわえていいものを常に用意する。おもちゃを持って歩くのは、この犬種の幸せの形 Image: AI生成(BAUDOG)

そのほかに気をつけたいところ

抜け毛 ── ダブルコートで年中抜け、換毛期は別格です。週2〜3回、換毛期は毎日のブラッシング。掃除機の頻度は、迎える前の想像の2倍で見ておいてください。

暑さ ── 密な被毛と大きな体で、夏は負担が大きい犬種です。散歩は朝夕。水遊びが好きな犬が多いので、夏の運動は水辺が向いています。

皮膚と耳 ── 垂れ耳で通気が悪く、外耳炎が起きやすい構造です。耳を振る、においがする、なら受診を。皮膚のかゆみも知られています。足先をなめ続ける、体をかく、が続くなら受診を。

雪の中で横を向く、クリーム色のゴールデンレトリバーの顔 Photo: Dietmar Rabich(CC BY-SA 4.0, Wikimedia Commons)

実践:迎える前と、最初の1年

時期やることなぜ
迎える前毎日1時間の運動を、誰がいつ担当するか決めるここが決まっていない家庭が、いちばんつまずく
迎える前床にマット。滑る床は関節に効く大型犬ほど滑ったときの負担が大きい
1〜2週目静かに眠らせる。新しいことは1日1つ睡眠不足は興奮と噛みの直接の原因
生後3か月〜飛びつきに応じない。4本足のときだけ撫でる30kgになる前に
1か月目マーカー、離せ/ちょうだいくわえたものを渡す犬に
2か月目〜おいでを良いことだけで積む大型犬の呼び戻しは、安全そのもの
〜1歳半激しいジャンプと走り込みを避ける関節が完成するまで
一生体重を月1回計る関節の予防は体重管理

お迎え直後の全体像は子犬を迎えた最初の1週間にやることに。

水たまりに入ってこちらを見るゴールデンレトリバー Photo: Barras(CC BY-SA 3.0, Wikimedia Commons)

うまくいかないとき

家の中でいたずらが止まらない ── ほぼ運動不足です。しつけの前に、走る時間を足してください。

飛びつきが直らない ── 家族か来客の誰かが応じています。全員で背を向けられているか、確認を。

くわえたものを渡さない ── 追いかけて取り上げた経験があります。しばらく「渡したら、もっといいものが出る」だけに戻します。

散歩で引っ張る ── 30kgに引っ張られると、飼い主が転びます。散歩でリードを引っ張る犬のしつけ方を、体が大きくなる前に。

相談を考える目安

  • 走ったあとに後ろ足をかばう、立ち上がるのが遅い
  • 急に後ろ足を上げたまま歩く(靭帯の損傷は急に起きることがあります)
  • 耳を振る、耳がにおう
  • 足先をなめ続ける、体をかき続ける
  • しこりがある(この犬種では、体を触る習慣が早期発見につながります)

動物病院で相談してください。

最後に

ゴールデンレトリバーは、性格でいえば大型犬のなかでいちばん飼いやすい部類です。そこは疑わなくていい。

問題は体の大きさで、それは運動・関節・飛びつきの3つに集約されます。この3つを迎える前に決めておけば、あとはこの犬種の優しさしか残りません。

まず、毎日1時間の運動を誰が担当するかを決めるところから。

出典