パグ

パグの飼い方|性格・暮らし・気をつけること

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赤いハーネスをつけて舌を出し、日なたに立つフォーンのパグ
Photo: Augustus Binu : flickr(CC BY-SA 3.0, Wikimedia Commons)

パグは、AKCが「小さいけれど、がっしりした」と表現する犬種です。陽気で、人が好きで、家のなかで静かに過ごせる。しつけで困ることは、あまりありません。

この犬種で困るのは、ほぼ一つです。太ること。

パグはよく食べ、あまり動きたがりません。そして体重が増えると、この犬種の弱いところ──呼吸、関節、暑さ──の全部に乗ります。だからパグの暮らしは、「太らせない」の一点に集約されます。

パグは太らせないがすべてに効く。中心に体重を計る(月1回、上から見て腰にくびれ)。呼吸:短頭種、太ると気道がさらに狭くなる。関節:膝と股関節に体重が乗る。暑さ:脂肪は熱を逃がさない

この記事で学べること

  • パグの大きさ・体重・寿命が、公的な犬種情報でどう書かれているか
  • なぜ「体重」が、この犬種のすべてに効くのか
  • 短頭種としての暑さ・運動・呼吸。急ぐサイン
  • 目としわの毎日の手入れ
  • 迎える前と最初の3か月でやること

今日やることは1つ。 愛犬を上から見てください。腰にくびれが見えなければ、今日からごはんを計ります。

記事執筆における出典

パグは「愛嬌」で語られがちで、体の構造に由来する注意点が抜けやすい犬種です。もとにした資料を先に示します。

  • 大きさ・体重・寿命・気質 ── アメリカンケネルクラブ(AKC)の犬種情報
  • 短頭種気道症候群 ── アメリカ獣医外科学会(ACVS)の患者向け資料「Brachycephalic Syndrome」
  • 膝のトラブル ── アメリカ獣医外科学会(ACVS)「Patellar Luxations」
  • しつけの方針 ── 米国獣医行動学会(AVSAB)の声明
  • 暮らしの組み立てと手順 ── 上記の資料をもとに、BAUDOGが構成しました

診断や治療には踏み込みません。 どうなったら病院か、までを書きます。

数字で見るパグ

AKCの記載
体高10〜13インチ(約25〜33cm)
体重14〜18ポンド(約6.4〜8.2kg)
寿命13〜15年
犬種人気210犬種中38位(米国)

体重の上限は約8kg。 ここを超えているパグは珍しくありません。「うちの子はがっしりしているから」で流されやすい犬種ですが、AKCの基準はこの数字です。

「太らせない」が、なぜすべてに効くのか

体重を管理すると、呼吸・関節・暑さの三つを同時に予防できる Illustration: BAUDOG(生成画像)

呼吸

パグは短頭種です。ACVSは、鼻の穴が狭い、軟口蓋が長いといった構造が組み合わさって空気の通り道が狭くなる状態を解説しています。

太ると、のどまわりの脂肪で気道がさらに狭くなります。 いびきが大きくなった、散歩で息が上がりやすくなった、というとき、体重が原因のことがよくあります。

関節

ACVSは、小型犬に多い整形外科の問題として膝蓋骨脱臼を解説しています。がっしりした体型のパグでは、股関節も含めて、体重がそのまま関節に乗ります。

暑さ

犬は呼吸で体温を下げます。短頭種はこれが効きにくい。そこに脂肪がつくと、熱を逃がしにくくなり、熱中症のリスクがさらに上がります。

つまり、体重を管理することは、呼吸・関節・暑さの3つを同時に予防することです。

体重管理の実際

  • ごはんは計る。 目分量をやめるだけで変わります
  • おやつは1日のごはんから差し引く。 別枠にしない
  • 家族全員で。 「ちょっとだけ」を3人がやると、1年で1kg変わります
  • 月1回、体重を計って記録する。 増えていたら、その月のうちに戻す
  • 上から見て、腰にくびれがあるか。 横から見て、お腹が引き締まっているか

食べ物で釣らないしつけの方法──マーカーを使い、ごほうびを「ごはんの一部」から出す──を最初から入れておくと、おやつが増えません。

短頭種として、暑さ・運動・呼吸

  • 夏の散歩は朝夕に固定。 日中は出さない。アスファルトの温度を手の甲で確かめる
  • 運動は短く区切る。 息が上がったら休ませ、整うまで次をしない
  • 首輪ではなくハーネス。 首の圧迫は気道に直接効く
  • 車内に残さない。 数分でも

短頭種の暑さ対策。散歩は朝夕、興奮する場面は短く、首輪ではなくハーネス、車内に残さない Illustration: BAUDOG(生成画像)

急ぐサイン

舌や歯茎が濃い赤〜紫、呼吸にガーガーという音、よだれが急に増える、ふらつく、涼んでも呼吸が落ち着かない。見たらその場で涼しい場所へ移し、動物病院に連絡してください。

フレンチブルドッグと同じ仕組みです。仕組みの説明はそちらに詳しく書いています。

目としわ ── 毎日の手入れ

目 ── パグの目は大きく、前に出ています。傷がつきやすく、乾きやすい構造です。目をしょぼしょぼさせる、片目だけ閉じる、涙が急に増えるを見たら、その日のうちに受診を。

しわ ── 鼻の上のしわの中は蒸れて汚れがたまります。週に数回、乾いた布で拭き、しっかり乾かす。赤くなる、においがするなら受診を。

こちらを見上げるフォーンのパグの顔 Photo: Nancy Wong(CC BY-SA 4.0, Wikimedia Commons)

実践:迎える前と、最初の3か月

時期やることなぜ
迎える前ハーネス、エアコンの効く部屋、床のマット呼吸・暑さ・関節を環境で守る
迎える前かかりつけの動物病院。短頭種を診慣れているかを聞く呼吸と目は急ぐ
1〜2週目静かに眠らせる。ごはんは最初から計る太る習慣を最初から作らない
2〜4週目顔(目・しわ)を1日10秒触る一生続く顔の手入れの下地
1か月目マーカーを入れる。ごほうびはごはんの一部からおやつを増やさないしつけ
3か月目落ち着いて待つを練習興奮は呼吸に効く

赤いハーネスをつけて立つ一歳のパグ Photo: Augustus Binu : flickr(CC BY-SA 3.0, Wikimedia Commons)

うまくいかないとき

体重が減らない ── おやつと、家族の「ちょっとだけ」を疑ってください。計っているのがごはんだけ、というのがいちばん多い落とし穴です。

散歩を嫌がる ── 暑い、または太っていて動くのがつらい。時間帯と体重の両方を見直してください。

いびきがひどくなった ── 体重を確認。増えていないなら、気道の状態を診てもらう価値があります。

しわが赤い、におう ── 拭いたあと乾かす、を徹底。それでも赤いなら皮膚の問題の可能性があります。

相談を考える目安

  • 舌が濃い赤〜紫、ガーガーという呼吸、涼んでも落ち着かない(急ぎ)
  • 目をしょぼしょぼさせる、片目を閉じる(その日のうちに)
  • 後ろ足を数歩上げる、スキップのような歩き方をする
  • しわや皮膚が赤い、においがする
  • 体重が基準を大きく超えていて、自分では戻せない

動物病院で相談してください。

最後に

パグは、性格でいえばいちばん楽しい部類の犬です。困るのは体のことだけで、それはほぼ「太らせない」に集約されます。

ごはんを計る。おやつを別枠にしない。月1回、体重を計る。この3つを迎えた日から続けてください。それだけで、この犬種の弱いところの大半を避けられます。

出典