ペキニーズ

ペキニーズの飼い方|性格・暮らし・気をつけること

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ドッグショーの台の上で座る、長い被毛のペキニーズ
Photo: SheltieBoy(CC BY 2.0, Wikimedia Commons)

ペキニーズは、AKCが「王侯のような風格と、独特の揺れる歩き方」と書く犬種です。中国の宮廷で、獅子に似せて作られたとされます。

その「獅子のような」姿を作っているのは、短い鼻、前に出た大きな目、長く密な被毛の3つです。そして、この3つがそのまま、日本の家で飼うときに気をつける3つになります。

もう一つ。性格は独立的です。指示に従うことを喜ぶ犬ではなく、自分で決めるタイプ。この点は柴犬に近い扱い方が合います。

ペキニーズで気をつける3つ。鼻が短い:暑さと興奮に弱い、夏の散歩は朝夕だけ。目が前に出ている:傷がつきやすい、しょぼしょぼさせたらその日のうちに受診。被毛が長く密:週2〜3回根元まで、刈らずに下毛を抜く

この記事で学べること

  • ペキニーズの大きさ・体重・寿命が、公的な犬種情報でどう書かれているか
  • 鼻・目・被毛。それぞれで何が起きて、何をするか
  • 独立的な気質との、つきあい方
  • 急ぐサインと、受診を考える目安
  • 迎える前と、最初の3か月でやること

今日やることは1つ。 目の上と目のまわりの毛が、目に入っていないか見てください。この犬種でいちばん多い急な受診は、目の傷です。

記事執筆における出典

ペキニーズは情報そのものが少なく、あっても「気位が高い」といった性格の話に偏りがちです。もとにした資料を先に示します。

  • 大きさ・体重・寿命・気質・来歴 ── アメリカンケネルクラブ(AKC)の犬種情報
  • 短頭種気道症候群 ── アメリカ獣医外科学会(ACVS)「Brachycephalic Syndrome」
  • 目の検査 ── OFA(Orthopedic Foundation for Animals)の眼科認定制度
  • しつけの方針 ── 米国獣医行動学会(AVSAB)の声明。罰を用いる手法を推奨していません
  • 暮らしの組み立てと手順 ── 上記の資料をもとに、BAUDOGが構成しました

診断や治療には踏み込みません。 どうなったら病院か、までを書きます。

数字で見るペキニーズ

AKCの記載
体高6〜9インチ(約15〜23cm)
体重14ポンド以下(約6.4kg以下)
寿命12〜14年
犬種人気210犬種中87位(米国)

体高15〜23cmで、体重は6kg前後まで。見た目より重く、がっしりしています。 抱き上げるときは、その重さを想定してください。

1. 鼻が短い ── 暑さと興奮

ペキニーズは短頭種です。ACVSは、鼻の穴が狭い、軟口蓋が長いといった構造が組み合わさって空気の通り道が狭くなる状態を、短頭種気道症候群として解説しています。

犬は呼吸で体温を下げます。気道が狭いと、それが効きにくい。

  • 夏の散歩は朝夕に固定。 日中は出さない
  • 興奮しやすい場面は短く。 来客、他の犬、激しい遊び
  • 首輪ではなくハーネス。 首の圧迫は気道に直接効く
  • 車内に残さない。 数分でも

さらにこの犬種は、長く密な被毛が熱をためこみます。 暑さへの弱さは、フレンチブルドッグやパグに、被毛のぶんが上乗せされていると考えてください。

短頭種の暑さ対策。散歩は朝夕、興奮する場面は短く、首輪ではなくハーネス、車内に残さない Illustration: BAUDOG(生成画像)

急ぐサイン

舌が濃い赤〜紫、呼吸にガーガーという音、よだれが急に増える、ふらつく、涼んでも落ち着かない。見たらその場で涼しい場所へ移し、動物病院に連絡を。

2. 目が前に出ている ── いちばん多い「急ぐ」場面

ペキニーズの目は大きく、前に出ています。傷がつきやすく、乾きやすい構造です。家具にぶつかる、遊んでいて爪が当たる、自分の毛がこすれる。

目をしょぼしょぼさせる、片目だけ閉じる、涙が急に増える。 これを見たら、その日のうちに受診してください。目の傷は進行が早く、様子を見て良くなることはあまりありません。

OFAは、遺伝性の眼疾患について繁殖前の検査制度を運用しています。迎えるときに、親犬の検査結果を聞けるかどうかを確認してください。

目の急ぐサイン。しょぼしょぼさせる、片目だけ閉じる、涙が急に増える。見たらその日のうちに受診 Illustration: BAUDOG(生成画像)

3. 被毛が長く、密 ── 毎日の手入れ

ダブルコート(上毛と下毛の二重)で、上毛が長い。毛玉と、熱のためこみの両方が問題になります。

  • 週2〜3回、根元まで通す。 表面をなでるだけでは、下の毛玉は残ります。脇の下、耳の後ろ、内股、お尻
  • 目のまわりと顔のしわを毎日拭いて、乾かす
  • 夏に刈るなら、慎重に。 ダブルコートの犬種で下毛まで刈ると、毛質が変わったり元どおりに生えてこないことがあるとされています。涼しくするなら、刈るのではなく下毛を抜く方向で、トリマーに相談を

独立的な気質との、つきあい方

AKCはペキニーズを、自信があり、独立的な犬と記述しています。指示に従うことそのものを喜ぶタイプではありません。

  • 「従わせる」より「取引する」。 それをやると自分に何かある、が要る犬です
  • 押さえつけない。 AVSABの声明にあるとおり、罰を用いる手法は恐怖と不安を生み、かえって攻撃性を引き出しうる。独立的な犬種ではとくに
  • 練習は短く切り上げる。 飽きる前にやめる
  • 触られる練習は早く。 顔の手入れが一生続く犬種なので、生後16週までに、顔を1日10秒触ってからおやつ

柴犬の記事の「従わせるではなく取引する」は、そのままこの犬種にも当てはまります。

床に座る、長い被毛のペキニーズ Photo: Lilly M(CC BY-SA 3.0, Wikimedia Commons)

実践:迎える前と、最初の3か月

時期やることなぜ
迎える前ハーネス、エアコンの効く部屋短頭種+密な被毛は、暑さを環境で守る
迎える前かかりつけの動物病院。短頭種と目を診慣れているかを聞く目の傷は急ぐ
1〜2週目静かに眠らせる。目の上の毛を確認し、目のまわりを毎朝拭く手入れは最初から習慣に
2〜4週目顔を1日10秒触る。ブラシを見せておやつ一生続く手入れの下地
1か月目マーカーと名前への反応伝える手段を先に
2か月目トリミングサロンに短時間で慣らす最初の1回を怖い記憶にしない
3か月目落ち着いて待つ興奮は呼吸に効く

リードをつけて歩く赤茶のペキニーズの横顔 Photo: Galawebdesign(CC BY-SA 3.0, Wikimedia Commons)

うまくいかないとき

顔を触らせてくれない ── 一度に全部やろうとしています。今日は目だけ、明日は口だけ、10秒で終わり。2週間続けてから伸ばします。

呼んでも来ない ── 独立的な犬種では普通です。来たら必ず良いこと、を積み直します。来たあとに嫌なことがあった経験を疑ってください。

散歩をすぐやめたがる ── 暑い、または呼吸が追いついていません。時間帯を見直してください。

毛玉ができる ── 根元まで届いていません。コームで通して、引っかかる場所を探してください。大きな毛玉はトリマーに。

相談を考える目安

  • 目をしょぼしょぼさせる、片目を閉じる、涙が急に増えた(その日のうちに)
  • 舌が濃い赤〜紫、ガーガーという呼吸、涼んでも落ち着かない(急ぎ)
  • 顔のしわが赤い、においがする
  • 後ろ足を数歩上げる、スキップのような歩き方をする

動物病院で相談してください。 目と呼吸は、迷わず連絡を。

最後に

ペキニーズは、宮廷で、人の膝の上で暮らすために作られた犬です。それを日本の家で飼うなら、鼻・目・被毛の3つを、迎える前に引き受ける必要があります。

引き受けられれば、静かで、自分の意見を持った、独特の風格のある犬との暮らしになります。まず、目に毛が入っていないかを見るところから。

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